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K、KE-Jetronic(ジェトロニック)

Virage Old and Neo Classic Car

今回はW201 16Vを例にしてDIYレベルで出来る最低限のKE-Jetronicシステムのリフレッシュと現状把握方を記します。

KE-Jetronic

画像はW201 16V用のインジェクター(ノズル、バルブとも呼ばれる)です。

詰まっていたものをエンジンコンディショナーや各種ソルベントを用いてクリーニングして、エアで吹いたら復活したなんて話をよく聞きますが、応急処置としてはそれで良いと思います。

※ちなみに内部のフィルターが潰れてしまうため、BOSCHはエアを吹くことを禁じています。

ただ、このインジェクターの仕組みは所謂現代のインジェクターと異なり、フューエル・ディストリビューターからの燃圧により内部のスプリングが押されて燃料が噴射される完全に機械的なものです。

要するに、長期の使用により内部のスプリングに経たりが出てくるということです。

スプリングに経たりがでてくるとどうなるのか。

インジェクターは規定の圧力が掛かったときに開くのですが、内部のスプリングが経たっていると規定値以下の燃圧でも開いてしまうことになり、好ましくない燃焼や燃費の悪化、レスポンスの悪化に直結します。

また、ちゃんとバルブが閉まらないことによる燃料の後垂れなどの弊害も生じます。

値段もそんなに高くないものです。消耗品と割り切って交換してください。

KE-Jetronic

アイドルスピードコントロール(ISC)バルブです。

距離が伸びたエンジンではブローバイガスが多く、この部品のポートを汚します。

クリーニングして良くなればラッキーですが、ダメな場合は交換してください。

名前の通りアイドルスピードを司る重要な部品です。

KE-Jetronic

エレクトロ・ハイドロリック・アクチュエーターです。

役割として、始動時増量、加速時増量、フューエルカット、ラムダコントロール(O2センサーからのフィードバック)があります。

KとKEの最大の違いはこれの有無です。

Kでは機械的に処理していた事柄をKEではこの部品が担っています。

ECUからの小さな電流でガソリンの流量を細かくコントロールしています。

KE-Jetronic

画像にあるように二つのポートがあり、フューエル・ディストリビューターのロアー・チャンバー内の燃圧をコントロールします。

フューエル・ディストリビューター本体との間にOリングが入りますが、この部分からの燃料漏れも多くあるトラブルです。

Oリングの交換で止まればラッキーですが、本体から漏れているものもありますのでその場合交換してください。

また、ポートに装着されたフィルターが詰まってしまっているものもあります。この場合も交換してください。

KEジェトロニック

これは直接KEに関係ありませんが、ブローバイや、アイドルバルブに接続されるホースです。

この辺からエアーを吸っているなんてのは論外です。

さっさと交換しましょう。

 

今回はKE-Jetのほんの一部というか、脇役ですね。これ以上のことは燃圧計やアタッチメントそしてデータがないとどうにもなりません。

しかし、DIYやよく解っていない業者様が手を着ける最初のステップとしてはいいかもしれません。

K、KEが不調をきたす一番の原因は劣化したガソリンや永年の使用による燃料内のデポジットの蓄積です。

それに足して機械的な磨耗やそれに起因する各部のズレです。

バイクに乗る人は経験があると思いますが、一年も放っていればキャブレター内部のガソリンは変質して各部ポートをブロックしてしまいます。

最終のものでも20年経ったKEです。O/Hすべきなのは当然のことです。

 

K、KEに関してはとてもブログで全てを紹介できるものではありません。

WEB上でたくさんのK、KEに関する記事を目にしますが、殆どがシステムを理解せずに処置して「幸運」にて治ったようなものです。

結果、治ったと思っていても本来のパフォーマンスではないものも多いです。

システムを深く理解するには時間と経験と測定器と測定方法を要します。

一から勉強することは大変でBOSCHの講習が大変役に立っているのは言うまでもありません。

今回ご紹介したような内容の処置をまず実行してみて、効果がないようならば是非当社にお問い合わせください。

 

K、KEが搭載されていた頃の自動車に今乗ることはとてもクールでカッコいいことです。

ただし、調子が悪いまま乗ることは全然クールでもカッコいいことでもありません。

ただの古くてボロい車です。

是非皆さんにクールでカッコよく乗っていただきたいと願っています。

今の自動車には欠片ほどもない魅力がある古い自動車を敢えて選んでいらっしゃるオーナーの方々です。

ご自身のお車を愛していらっしゃるならば、遣うべきところにはしっかり費用をかけて、きっちり車を仕上げていただきたいと願います。

古い自動車に費用を掛けずに乗りっ放しで調子良く走ってくれなんて虫のいい話です。

一度きっちりと手をいれれば、長きに渡ってオーナー様の素晴らしいパートナーで有り続けてくれることでしょう。

お力になれれば幸いでございます。

 

 

 

 

投稿日:2013/08/11