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フェラーリ328のアップデートメニュー(エアコン編)

Virage Old and Neo Classic Car

フェラーリ328 308 フルコン

色々調べていると、ここ何年かで初めてのフェラーリとして328、308を購入された方が多いようです。

昔憧れていた自動車を頑張って働いて晴れてオーナーになられた方達です。

明らかに新車のフェラーリを購入される方達の大半とは違い、一台の自動車に対する想いや愛情が深いように感じられます。

新車を購入できる財力をお持ちであっても、328や308を選ばれるでしょう。

もちろん、理由は様々でしょうがやはりあのデザインでしょうか。

私達の世代やそれより上の世代ではピニンファリーナと言えばこの時代であり「一体今の新車は誰がデザインしてんだ?」なんてことを言われる方も多いです。

もちろん、現代の自動車は速く、快適であることは事実です。

が、それと引き換えに失ってしまったものはとても大きかったように感じます。

 

では、328や308を手放しで誰にでも薦められるかといえばもちろんそうではありません。

当時のフェラーリは現代のように正確な作業をするロボットが働いていたわけではなく、多分に手作業の部分がありました。

精度が低いものや、材質の悪いもの、いい加減なアッセンブリング、またバブルの頃によく分かっていない成金が荒く扱い、よく分かっていない整備工場が適当に整備してきたことが加えられてきました。

 

実際にご購入されてみて、最初はガレージに収まっているのを見ているだけで嬉しいのですが、暫くすると

「ここはどうにかならないのか?」

「思っていたほど速くないな。」

「エアコンはもうちょっと効かないかな?」

なんて欲が出てくる方も多いのではないでしょうか?

ショップに訊けば

「そんなモンですよ。フェラーリですから」

なんて経験をされた方も多いでしょう。

 

これらを現代の技術を投入してアップデートしていくメニューを紹介していきます。

今回は「エアコン編」です。

個人的にはエアコンがガンガンに効かない自動車には乗りたくありません。

フェラーリ328 308 フルコン

画像は328に装着されたレシプロ型のYORKです。

70年代のメルセデス・ベンツ等にも装着されていました。

まず、これの新品を入れ替えるなんてことはメニューに入れません。

新品に交換した当初は冷えますが、それが続く保証はありません。

駆動ロスが大きく、重い上に搭載されている位置がエンジンのヘッドカバーと同じ高さで、しかもタイミングベルトカバーにぶら下がる感じです。

こんな位置にこんな重いものがぶら下がっていると、ただでさえアクセルのON-OFFでエンジンが揺れやすい横置きエンジンの揺れを大いに増幅することになります。

エアコンをONにすればギクシャクして乗り難いでしょう。

 

ロータリータイプのコンプレッサーが搭載されている328もありますね。

どっちにしろ、R12のガスのまま、20年前の効率の悪いコンプレッサーに高価いお金を払って修理して、毎年ガスを足しながら乗るなんてナンセンスです。

現代の自動車ではガス漏れなんて稀でしょう。漏れないのが当たり前です。

各コンポーネントの精度と耐久性が上がったのはもちろんですが、ゴムのホースに替わってアルミの配管が多く採用されていることが大きく寄与していると思います。

当ショップでのアップデートはアルミの配管をきれいにシャシーに這わせることから始めます。

「旧車のエアコンのアップデート」を売りにして、コンプレッサーのポートからアルミフレア配管の一本モノで造っていたショップがありましたが、

振動やエンジンの揺れをどこで吸収するつもりなんでしょうか?家庭用のエアコンのノリです。

ある日一気に一瞬でガスをぶちまけることになるでしょう。

ただなんでもアップデートされたものを付ければいいってものではありません。

取り回しや強度、そして振動に対してもセオリーがあります。

そして何よりも耐久性が確保できなければアップデートする意味がありません。

 

ちゃんと機能して耐久性があることは当然のこととして、

アップデートすることにより美観を損ねるようなことはしません。

いくら技術的に素晴らしくとも、見た目が非常にダサいもの、アップデートされた部分だけがやけに目立つものにはしたくありません。

この辺はただただセンスの問題です。

当ショップではパッと見「えっ?最初からこうじゃないの?」と見えるものに仕上げます。

アルミの配管一つとっても、TIG溶接などせずに純正と同じようにロウ付けで奇麗に仕上げます。

私自身もTIG溶接の有資格者ではありますが、いくら溶接のウロコが奇麗に揃っていようが一体成型のシームレス部品には適いませんし、

なにより、純正の部品で溶接のウロコが見えているものがどこにありましょうか。

 

もちろんガスは134の使用を前提にシステムを構築します。

コンプレッサー、エキスパンション・バルブ、コンデンサー、エヴァポレーターなど、全てそれに対応したものに交換します。

134はR12に比べてシステム圧が高いのです。ただでさえ脆弱なオリジナルのコンポーネントにそれは酷なことです。

コンデンサーやエヴァポレーターは製作することになるでしょう。

純正よりも安く、遥かに信頼性があり、効率がよく、軽いものを製作することが可能です。

今の技術があれば、328の狭いキャビンが冷えないわけがありません。

 

もちろん、上記のようなリフレッシュが5万や10万で出来るわけはありませんが、純正新品でごっそり入れ替えと同等か、それ以下の金額設定ができればいいですね。

純正新品に入れ替えたところでいつまで保つか分かりません。ましてちょこちょこと一つずつダメな部分を直していってるとイタチごっこで、終ぞや手放すまで一度も完調な時期が無かったなんていう事例を今までいやというほど目にしてきました。

もうそういう時代ではございません。

やっと手に入れたフェラーリをいつでも快適に、そして存分に楽しみたいと思われる方はご一報くださいませ。

個人的には真夏の都心のド渋滞に嵌っても何も心配せずに正に涼しい顔して運転している328は最高にクールだと思いますがいかがでしょうか?

以上「夏は乗らない」方にはあまりご興味の湧かないであろう内容でした。

 

 

次回はこんなことについて書きます。

フェラーリ328 8連スロットル

 

 

 

投稿日:2013/08/30