Virage 整備記録

2013年10月31日

Turbo charged Pepsi can

こんな私の稚拙な書き物でも楽しみにしてくださる方がいらっしゃるとは幸せでございます。出来るだけ更新したいと思うのですが、調べモノ、作業、打ち合わせ(相手が欧米なので夜中になります。)等で一杯になる時などは中々書けません。と言いつつ、調べ物をしている中でついつい横道に逸れてしまうのは皆様と同じです。その流れで、ある国産ターボ車についてのアメリカのフォーラムに行き着きました。中々コアな内容でアメリカの日本車のチューニングも結構やるなと読んでいくと「ボディー補強」についてのフォーラムに来ました。ハードにチューニングした結果剛性が気になりだしたか、ミシミシ言い出したのでしょうか。その中に面白い表現がありました。「As we know, we are riding on turbo charged Pepsi cans・・・」自分たちはターボの付いたペプシの缶に乗っているみたいなもんだというわけです。彼らはその「Pepsi can」に乗っていることが分かっているのに更にパワーアップしたいのです。若い頃はパワーパワーと言いますが(ジェレミーみたいにオッサンになっても言ってる人はいますが)歳をとれば自分が心地良い塩梅が見つかるんやでと思いながらそこを去りました。 次に別の調べ物をしているとYoutubeの動画に行き着きました。「オススメの動画」の中にちょっと面白そうなものを発見。観てみるとイギリスのどこかでのガレージ内の風景。登場人物は一人。顔は映しませんがイギリスのオッサンが一人黙々と何やら作業をしています。何をしているのかというと、オッサンが自宅のガレージでアルミの鋳造品を造っているのです。しかも木型から鋳造に使うルツボから何から全て自作です。一本10分弱の動画を数十本アップしていて、動画から聞こえてくるのは道具が当たる音、アルミを溶かすバーナーの音、型の砂を擦る音、そして時折聞こえる野鳥の声のみ。全ての動画の中でオッサンは一言も発しておらず、咳やくしゃみさえしていません。何ともそのシュールな動画に吸い込まれてしまいました。シュールなだけではありません。鋳造の現場を見たことがない私にとっては何ともエキサイティングな映像で、オッサンは元プロか何かなのか、結構複雑な形状のものも慣れた手つきでこなしています。鋳物が大好きな私は見ている内にドキドキが止まらなくなっていました。気が付けば、オッサンが慎重にソーっと砂型から木型を外す時には私も息を止めて間近でそれを見守っているような気になっています。結局オッサンが自宅のガレージで造り出すアルミの鋳物に取り付かれてしまい、オッサンがアップロードした全部の動画を一気に観てしまいました。ここ数年の内に観たどんな映画よりも心を奪われた映像で、オッサンにファンレターを出そうと思っています。 鋳造というものは木型の製作は木型屋さん、鋳込みは鋳造屋さん、もちろんデザインや設計は別の人がやることなので製品が出来上がるまで時間と費用が掛かるというイメージでしたが、オッサンがやってるようにやれば自分で出来るような気がしてきました。そうなるとあれやこれやと造りたいものがたくさんあります。が、そんな暇いつあんねん?私も引退したらオッサンのように野鳥の声が聞こえるガレージでアルミの鋳物を造りたいですね。しかし多分オッサンはガレージに篭りきりで、たまにキッチンのオーブンで中子を燻ったりしているから奥様には嫌われていることでしょう。それに私が引退するころには鋳物なんて誰も造っていないかもしれません。でもアレか、誰もしていないから面白いのかもしれません。 net1280