いまや鋳物でさえワンオフ製作が選択肢に含まれる時代です。
当社が扱うような車種は違和感が無いように仕上げるためには鋳物での部品製作は避けて通れません。
以下、左よりオリジナルのスチール製、オリジナルを3Dスキャンした後リデザインしたモックアップ、右が今回の完成品です。
フランジ部分は機械加工で仕上げるため削り代を多く取っています。
ザっとサンディングした後ウェットブラストをしただけの表面ですが、
バレル研磨等でどこまで変化するか楽しみです。
試装状態。
寸法もクリアランスも申し分ありません。
SUSバージョンもメーカー様に試作していただきました。
この部位では思ったよりも重量があったため採用は見送りますが、今後SUS一体物でEXマニフォールドを製作することも可能だと思われます。
限られたスペースにより、等長にすることが不可能な場合でも、鋳物の一体物であればパイプのように曲げ角度の限界を気にする必要はないでしょう。
今回このようなふざけた依頼を快く引き受けてくださったメーカー様には心の底より感謝しています。
もちろん、これを実現させるためには3Dスキャナー、3D CAD、データを作成する当社のスタッフのスキルが必要であったものの、実際に鋳込むことができる機材や、長年の経験から得られた知識をもったスペシャリストの方々のご協力無くしては決して実現しないことです。
「ものづくり」なんて言葉を軽々しく使うアホが多くいますが、
本当のものづくりとは、実際にものを造る人にしか分かりません。
IKEAの組み立て式の家具を上手に組み上げられたと喜んでいる程度の方々には死んでも理解できない世界がそこにあります。
「JAZZが好き」という方は多いでしょうが、本当のJAZZはそれを演奏する人にしか分かりません。
見える世界が違います。