Virage 整備記録

2019年6月21日

K-Jetronic KE-Jetronicについて part 1

まず最初に、とあるフューエル・ディストリビューターの画像をご覧ください。

上下二分割のロワーハーフです。

あるべきでないところ(どこにもあるべきではありませんが)にこのような傷が入っています。

どうしてでしょうか。

K-JETRONIC KE-Jetronic Kジェトロ 修理 オーバーホール

画像の順番がそのまま組み付ける順番です。

K-JETRONIC KE-Jetronic Kジェトロ 修理 オーバーホール

K-JETRONIC KE-Jetronic Kジェトロ 修理 オーバーホール

そして下の画像のようにプレートを載せてこの部分については完了します。

K-JETRONIC KE-Jetronic Kジェトロ 修理 オーバーホール

が、上下を合わせる時にプレートがずれたまま挟み込んでしまい、そのまま上下締結ボルトを締めこんだため出来た傷です。

K-JETRONIC KE-Jetronic Kジェトロ 修理 オーバーホール

ある作家はその人の本棚を見れば大体どういう人か分かると言い、

ある料理人はどんな食べ物が好きか聞けば、その人の趣味嗜好まで分かると言います。

私はその車を見ればどんな性格の人間がどんなメンタリティを以って整備したかが分かります。

と言うよりも、性格そのものが痕跡として残っています。

画像の部品は先日記したように人災によるものです。

機械が勝手にそうなったのではありません。

興味や好奇心を持つことは素晴らしいことだと思います。

が、このような例(今まで腐るほど見てきました)は外注費をケチって自分でトライした結果が殆どを占めます。

見よう見まねで何とか元に戻ったところで、

各部の調整や、基準値が分からず、それに合わせることができなければ、

それを「オーバーホウル」とは呼べません。

今まで素人がバラしてちゃんと組めたものをただの一つも見たことがありません。

天地逆に部品が組み付けてあるものもあります。

そういうものが平気で「オーバーホウル済」ということで売られています。

誰でも出来るようなものであるならば、BOSCHが「非分解」指定するはずもありません。

とても繊細な部品です。

お勉強することが苦手ならば手を出すべきことではありません。