紆余曲折ありやっと届いたマニュアル・トランスミッションです。
よく勘違いされている方がいらっしゃいますが、MTのMとはマニュアルのM、TとはトランスミッションのTです。
MTのことを「ミッション」、またはMT車のことを「ミッション車」と呼ぶ方がいますが、おかしな表現です。
因みにヨーロッパではgear boxと呼ぶことのほうが圧倒的に多いです。
今回のこのトランスミッションは中古ですが、非常にレアなものです。
W126 300SE M103用のものですが、M103用でも何種類もあるのです。
上画像、シャフトに刺さって浮き気味の部品はスピードセンサーがパルスを拾うための部品です。
すなわち、このトランスミッションは電子式スピードメーター用のトランスミッションです。
日本にあるW201 16V用等を何にでも流用できない理由の一つでもあります。
因みに、W201 16V用を「ゲトラグ製」だと有り難がる方がいらっしゃいますが、これもゲトラグ製であり、当時のメルセデス・ベンツのマニュアル・トランスミッションは殆ど全部がゲトラグ製です。
16V用は所謂レーシング・パターンのものですが、他のトランスミッションでもシフトパターンが2種類あります。
今回のトランスミッション、状態は良いとのことですが全バラして洗浄後各ギア、シンクロなどをチェックしていきます。
ケーシングもキレイにしてベアリング、シール類を全て交換します。
オーナー様がそれを見られることは無いかも知れませんが、再びトランスミッションをバラす必要が無いようにキッチリと仕上げます。
専用の特殊工具の到着が少し遅れていますが、時間が掛かってもここは譲れないところです。
個人的にマニュアル・トランスミッションは自動車の部品の中でもとても惹かれるモノです。