いわゆるバーンファインドです。
実質ワンオーナーの車両ですが、これを引き取ったどこぞの鈑金屋が要らないことをしています。
空冷911の価格が上がり始めた頃、傷んだ塗装を「パー吹き」で再塗装してから、オークションで売り逃げしようとしたらしいです。
が、結局手に負えずに今ここにあります。
近年、発掘されたまま、埃もカビもそのままのものがオークションに出品されて驚愕的な価格で落札されるというような事態が頻発しているようです。
私自身は自動車が美術品や骨とう品と同じように扱われていることに違和感を持っています。
まあ、勝手に盛り上がっていればいいのですが。
しかし、空冷の911がそこら辺の下駄車と同じレベルで補修されるのを見ると腹立だしく思います。
そんなことであれば、何もせずに傷んだそのまま置いてくれてたほうが有難いです。
何年もの間眠っていた自動車に、まずするべきは燃料タンクのチェックです。
いきなりバッテリーを繋いでクランキングするような方がいるらしいですが、そんな方が自動車に関わるべきではありません。
エンジンや点火系をO/Hしようが、燃料系をクリーンな状態に戻さなければ調子を取り戻すはずもありません。
内燃機関というものは、燃料を燃やして機能するものです。
その燃料自体が劣化していたり、錆やゴミが混入していればきれいに燃えるはずがありません。
こんなことさえ、一から説明しないといけないショップやメカニックが多い今この頃です。
実質ワンオーナーの実走行距離です。
キッチュなファブリックのシートが何とも言えません。
ご婦人が新車で購入されて、しばらく乗られてからずっとキープされていたとのこと。
分かる人には分かる例えとして、この個体はAE85やグランド・シビックの1.5 SiのATをオバハンがチンタラと乗っていたようなものです。
要するに、ボディがしごかれていない、ヤレのないソリッドなままなのです。
もちろん、AE85や1.5 Siはそれをベースにアップグレードされた4AGやB16、B18などにスワップされたりするのですが、そもそもオリジナルで86やSiRである場合、ボディのコンディションが良くないもの
(シゴキ倒されたもの)が多いわけです。
エンジンやその他機関はどうにでもなりますが、
ボディのソリッド感となるとそうもいきません。
この911、現状での販売も可能です。
シュポルトマチックですが、マニュアル・トランスミッションのスペアがありますのでマニュアル化も可能です。
また、これをベース車両としてご依頼いただき、アップグレード、アップ・デートすることも可能です。
ブラストブースにてペイント総剥離後お好みの色にリペイント、6連スロットル、MoTec化、電動パワステ、エアコンアップグレード等々、
お好みの911に仕上げることもできます。
ただし、着手まで今から一年以上掛かります。
「早く欲しい」という方はお問い合わせ自体をご遠慮くださいませ。対応できません。