O/Hが終了したユニットを戻す前に、入庫時から気になっていた配線とコネクターを検証します。
まず、左バンクの補助エアバルブに繋がっていなかったこのコネクター。
下にぶら下がったままでした。一体どうやって左右バンク間のバランスをとっていたのでしょうか?
コネクターのロックピンはどっかにスッ飛んでしまっています。
そして恒例のビニールテープぐるぐる巻きです。
この中からろくなものが出てきた試しがありません。

案の定この有様です。
一体何をしたいのでしょうか?


After 画像。
正しい方法と、部材を使用してちゃんと繋げないなら最初からやらなければいいのにと思うのですが。

次はコールドスタートバルブのコネクターです。

これも割れてロックピンがありません。剥いてみると、以下の通りです。
多分電気が来ていないからバイパスした跡でしょう。

で、不可解だからと何度も抜き差しを繰り返していると、端子の口が開いてしまいグラグラになります。
結果接触不良を起こし、通電する度にスパークが発生して端子が焼けます。

下が新しい端子です。

しかし、末端は新しくなったものの電線はご覧のような有様です。
はっきり言ってご臨終です。通常の当社のメニューでは配線も全部やり直しです。

After

「電気が苦手」というメカニックはベテランほど多いです。
そういう方はどうか電気に関わらないでください。エンジンだの足回りだの電気に関係のない「機械」を扱ってください。
KEと違ってKの場合、殆ど電気が介入していないと思われている方が多いでしょうが、補助エアバルブ、コールドスタートバルブ、ウォームアップ・レギュレーター等の作動には電気が必要です。
それらにどのような条件で、タイミングで、どのくらいの量がどのくらいの時間電気が流れるのか分かっていないから上記のようなワケの分からない修理の真似事をしてしまうのです。
何度も書きますが「K-JETRONIC」とはシステム全体のことを指します。
何か調子が悪いと「フューエルデスビがダメ」と、何も検査しないでそれだけのせいにしがちです。
そもそも、なんで解らないのにそれの修理を請け負うのでしょうか?
さて次回は、これらの復旧作業をしても
「そもそも根っこから電気が来ていなかった」の巻です。