先日、若い女性に「この曲知ってる?」と聴かされたのはKANSASのCarry on wayward sonでした。
何でもアメリカのTVドラマで使われているらしく「カッコいい」とのこと。若い人達には古いものが新鮮に感じているのでしょうか。
その後彼女にYngwie Malmsteenのカバーバージョンを聴かせると「こっちのほうが全然カッコいい。」とのこと。
昔ギター小僧だった私はYngwieみたいになりたくて憧れの対象でしたが、大人になって聴いてみるとギターばっかりで楽曲が良くない。
何とも皮肉なことですが、唯一彼のアルバムの中で今でもたまに聴くのは「Inspiration」という全曲カバーのアルバムです。
そのアルバムのオープニングを飾るのが「Carry on wayward son」です。
個人的には、KANSASのオリジナルを遥か彼方にブッ飛ばすほどのクオリティーだと思います。
さて、Kジェトロのコンポーネントをセットして始動した6.9ですが、プライマリー・プレッシャーが高すぎます。
ここの圧が高ければパワーが上がると思ってチューニングされたのでしょうか。燃料ポンプを作動させるだけでインジェクターから結構な量の燃料を吹いてしまっています。
燃費にも大きく影響がある部分です。規定の圧に戻すために上の画像の部品をゴソゴソします。Kジェトロでは非常に重要な部分です。
たまにエンジンを掛けたままテストしているのを見かけますが、基本はエンジンを掛けずにテストします。
燃料ポンプをジャンプしてプライマリー及びコントロール・プレッシャーの測定をします。
リセッティングしたコントロール・プレッシャーは規定値内に収まりました。
コントロール・プレッシャーはウォームアップ・レギュレーターが司ります。温度補正、負圧による増量(フルロード・エンリッチメント)などを機械的に処理します。
これも規定値内に収めるために調整が必要です。動画ではすでにエンジンのウォームアップがされているためそのような数値を示していますが、さらにエンジンの温度が上がれば数値が規定値まで上がり安定します。
もちろん、全ての規定値は車種によって違い、データと原理、測定方法が解っていないとどうにもなりません。
きれいに吹けるようになりました。
ハイドロ・ニューマチック・サスペンションです。
あのCITROENと同じと思って必要以上にビビっている方もいらっしゃいますが、原理は同じでも(もちろんCITROENが元祖でパテントも保有)クオリティーが違います。
この個体も健康な状態です。ただ、ストラットは欠品中です。再生産の動きはあるとのことですが詳細は不明です。何か動きがあり次第連絡が来ることになっています。
乗り味は何とも言えない滑らかなものです。この巨体と相まって他に似たものがありません。いわゆるビッグ・シトロエンとはボディー剛性が較べられないのでその乗り味も全く異質です。
ハイドロはもちろんですが、他と同じくこの辺りのブッシュの交換は必修です。
表面上きれいで、整備もきっちりされていたとしても、こういうところを見ていない車が多いですね。
年に一回でもこういうところを開けてお掃除してやればこういうことになっていない筈です。
現にこの部分には数十年分のドロや埃がたんまりと積もっていました。
専門店やディーラーで診てもらっているとしても、整備や車検の度にこんなところを開けてお掃除なんてしてくれませんよ。
いつかの記事にも書きましたが、お掃除こそが最強のDIYだということです。他のことはプロがやってくれたとしてもこんなことはオーナー様以外にはだれもしてくれません。
工具を買ってきてプロの真似事もいいですが、お車を愛していらっしゃるなら表面のお掃除だけでなく、こういう部分のお掃除こそ重要だと認識してくださいませ。
こういう部分の修理をいまだにパテとパッチでやっつけてしまう業者も多くあるようです。
いつか見たW113なんてフロアの1/3がパッチで、ベコベコしてました。グッと力を入れれば床が抜けてしまうんじゃないかと思うほどの代物でした。
6.9も後付け触媒のせいでフレームの構造体がボロボロに錆びているのをパテとパッチでごまかしているものがあります。
構造体ですよ?しかもあんなにトルクがあるエンジンを搭載しているのに、フルスロットルをカマせば車体が半分に折れてしまうのではないかと危惧します。
「安く仕上げる」ためにやっているのでしょうが、何度も言うように、この時代の自動車を「安く乗る」ことは諦めてください。もうそういう時代ではありません。
安くあげたつもりが、何倍にも何十倍にもなって返ってきたなんて話をいまさらするものでもないと思います。先人達がそれを実証しています。
これも昭和の修理の良い例ですね。何かするならちゃんとして欲しいですね。ちゃんとできないなら何もしないで欲しいのが本音です。
とまあ、こういう時代の自動車は少なからずこういうことがあります。
これらの大半はこれらの自動車に関わってきた人達による人災であると言えます。
こういうことが重なって自動車は傷んでいきます。
まずはこれらを元に戻したり、リフレッシュしたり、アップデートすることにより自動車が蘇るのです。