何と、走行距離8,000kmです。

ドアの開閉もビックリするくらいしっかりしています。

エンジンも惚れ惚れするくらいのフィーリングですが、少々アイドルのふらつきがあり、何よりもスロットルが中々戻ってきません。

そもそも電動パワーステアリングのインストールでの入庫ですが、まずはそれから診ていきましょう。距離のわりにエアマス周りの汚れが気になります。

さっさとバラして、

この状態で降ろします。
ユニットのO/Hをご依頼の業者様、先にフューエル・ディストリビューターを外してから下の画像の状態のまま降ろしてくださいませ。

やはり、眠っていた期間がかなり長かったとのことです。腐った燃料をまわしてしまった痕跡があります。

スロットルが戻りにくかった主な要因はこれ。新車時からのグリスが変質して溶けた飴のようになっています。同じ時代のイタリア車のウィンドウレギュレーターの動きが悪いものや壊れてしまうもの、殆どがこれが原因です。動きを滑らかにするためのものが逆に有り得ないほどの大きな抵抗になっているという笑えないジョークです。
嘘だと思われるなら、今お乗りのそのイタリア車のウィンドウレギュレーターをバラして、古いグリースをきれいに除去して日本製の高性能なグリスを塗布して元に戻してみなはれ。ビックリするほどスムースになりまっせ。シートのスライドが渋いのもおんなじでっせ。一回やってみなはれ。奥さん。



あとは当ショップにとってはただのルーティン・ワークです。
いわゆる「オーバーホウル」をするのですが、ところどころで内部のシールだけ交換して「オーバーホウル済」なんて謳っているものがあるようです。そのようなものをインストールされた車両が結局当ショップに回ってきます。その「オーバーホウル済」とされるものをバラしてみると殆どが「悪いジョーク」です。
テスタやBBの場合は左右バンク間のバランスを合わせることが非常に重要です。
くれぐれも好奇心でバラさないように。
Update: / Date 2019-09-18