Virage 整備記録

2019年12月3日

FERRARI Testarossa KE-Jetronic 03

きれいに揃いました。

K、KE-Jetronic搭載車の場合、具合が悪いとすぐにそれのせいにされてしまいがちですが、そもそもエンジン本体や、点火系などのコンディションが悪ければこんなに調子が良くなるはずがありません。

この個体は機械的なコンディションやその他点火系には徹底的に整備された上で当ショップに入庫したものです。

圧縮、バルブタイミング、バルブクリアランス、その他の状態が良くないのにK、KEの整備のみでどうにかなるのではないかと夢を見ている方が多いようです。

古い車のコンディションを考えた場合、どこか一部で考えるのではなくトータルで考えるべきです。

勝手に「エンジン自体は調子が良い」なんて思い込み「自分の車のエンジンはチェーン駆動だからベルトのように切れない」とバルブトレイン関係を調子云々と無関係と断定したりする方が多いようです。

チェーンは切れなくとも1リンクで0.1mm伸びれば150リンクで15mm伸びます。それがバルブタイミングに影響しないと思えますか?Mercedesのようにおおらかなエンジンならまだしも、フェラーリのエンジンも同じようにおおらかに包み込んでくれると思いますか?

もちろん、それらを全て整備するとなるとそれなりの費用が掛かりますが、それをしない限りその自動車の本来のパフォーマンスを味わうことはできません。

要するに、費用が掛かるのは当たり前だということです。

費用をケチって美味しいパフォーマンスを味わおうなんてド厚かましい話です。