Virage 整備記録

2018年4月18日

ボディ ブラスト

当ショップには、ボディを丸ごとブラストするブースがあります。様々なメソッドの元に「ブラスト」が存在するのですが、当ショップでは「ドライ・ブラスト工法」を採用しています。理由は以下の画像を見ていただければお分かりの通り、過去に何度も安易に重ね塗りされたものを剥離する場合それなりの研削力とパワーを要するためです。また、錆(と錆びた部位周辺)の除去にも非常に有効です。更に、ドライブラストを経てできた表面は、塗料の密着性が非常に高いことも大きな利点です。自動車ボディ サンドブラスト
プレスラインを見て頂ければ、どれだけ厚塗りされてオリジナルのラインが損なわれているかお分かりだと思います。自動車ボディ サンドブラスト
ミルフィーユのような状態です。自動車ボディ サンドブラスト
このような状態からの剥離作業では、ブラストを用いてさえも非常に手間と時間を要します。ただ、一度剥離してボディをきっちりやり直し、現代の技術とメソッドを用いてリペイントすればオリジナルを凌ぐ仕上がりや耐久性を手に入れることが可能です。フェラーリ308 総剥離 レストア
今回の車両も「パッと見」はきれいなものでした。どんなに手抜きの作業でも、塗ったばかりの時には綺麗に見えます。フェラーリ308 総剥離 レストア
また、どこの名人が塗っていようが、下地がきっちり処理できていなければ数年でボケたり、錆が浮いてきたりということがままあります。今まで何台もそんな車両を見てきました。 大きな費用が掛かるボディー・ワークですが、だからこそケチらずに、きっちりと片を付けるべきではないでしょうか。